「いっくら蹴散らしても戻ってくるんだったら、初めから放置しておいた方が楽じゃないですか?構うから帰ってくるんですよ。いっそ、ほったらかしにしておきませんか?」
レイトはそう言った。
そして、一同は賛成し、害虫駆除し隊は解散を向かえた。
しかし、解散の後も害虫は出現しつづけた。
そして、やはり害虫は害虫だった。
「ただいま〜」
フェザがぱたぱたと飛んで帰ってきた。
「お帰り。今日は誰と遊んできたの?」
ロックが聞くと、フェザはにっこり笑った。
「あのね〜vミヤギちゃんと〜ミラちゃん〜。あ、デュラウちゃんから飴も貰っちゃった〜vvv」
「そうか〜…………は?」
このメンバーは…まさか…。
「…フェザちゃん。どこで遊んできたのかな〜?」
「屋根の上〜vvv」
ガバァ!!
グラントが直行で屋根の上を見た。
そして、最悪の事態を目の当たりにしたのだ。
「…繁殖している…………」
そう、フリーマンの分裂キャラの皆さんがわんさか増えていた。
はっきり言って、恐ろしい光景だ…。
「そんな訳で、突如繁殖した奴等の駆除に当たる。このままだと、厄介な事請け合いだ!」
「え〜いいじゃないですか〜」
「そこ!電気椅子の刑(笑)!!いいか!?想像してみろ!豪華な宮殿に現れる変な人影!あれは奴等が殺したマフィアの怨念が具現化したモノで恨みを忘れられずうろついている。なぞと噂されてみろ!廃工場に群れるカラス以上にやっかいだぞ!?判るか!?あの合成したの丸判りな特撮モノの決戦現場!!」
最後の辺りの例えはフェザのテレビ閲覧に付き合わされたから言えるものである。
「…それは苦しいな…」
スィンクは顎に手を当てて小首を傾げた。
「そして一番厄介なのはミヤギだ!!あれはカインそっくりだからといって甘く見るな!」
グラントさん、それはあんただけかもしれないよ…。
そんな訳で、一斉に駆除に当たる事になった。
スィンクは待機していた。
計算に計算を重ね、今度こそはとおもいっきり闘志を燃やしていた。
と、そこに人影が現れた。
「でたな!妖怪貞子!!」
「誰がだ…俺はデュラウだ…」
見てみると、フリーマンに限りなく近いがズボンが緑の男が立っていた。
「妖怪だろう!そのゴムのような動きは!覚悟ぉぉぉぉ!!!」
バーン!と、気を放って突進。
と、デュラウはにやりと笑って、飴をスィンクの口の中に放り込み。
突然の事に、スィンクは足を止めてしまう。
「な、にゃんだ?」
「中に入っている成分がわかるか?」
「……………?」
モゴモゴと口を動かして、はい、分析開始。
「砂糖、水飴、果汁、酸味料、香味…イチゴだな。着色料はアントシアニンだ。オリゴ糖も入って健康に良いな…」
そこまで判るのか?
「クックック…まだあるぞ…後、一つ」
と、スィンクの顔が青ざんだ。
「こ、この…体に回る異質な物体、それと共に体の機能が犯されていく感触…そしてなんともいえないこの後味…ま、まさか…」
ばったり。
スィンクは口から泡を吐いて倒れた。
デュラウは倒れたスィンクを見て笑った後、どっかに去っていった。
スィンクは、気絶しそうな意識の狭間でブツブツと何かを言い始めた。
「危険等級Vに値する火気厳禁LPG、DME…有効成分ピレストロイドカッコd-T80-フタルスリン、d-T80-レスメリトンカッコとじる…」
一気にそこまで言って、意識を手放す瞬間、ぽつりと一言。
「…キンチョール…」
レイトさんはいつもの如くぼーっとしていた。
熱心に打ち込めるモノ以外はぼーっとしているのが一番いい。
そんな訳で、ねっころがってうとうと。
そこにひょこっとある人物が現れた。
「ちゃお〜☆なんでこんな所で寝てるの〜?」
「……………………」
こいつ…フェザとマイルドとミヤギと被ってるな…。
紹介が遅れた。出たのは金髪の人懐っこい流れ星のネックレスのフリ−マン。
「どうしてこんなところでねているの?」
「眠たいからねているんだ…ねさせてやってくれ」
言って、ぷか〜っと鼻堤燈を膨らませて寝始めた。
「????」
どうしよう…と、悩んでいると、フォールが出現。
「あ、こんな所にいましたか。やっぱり寝ていますね」
と、フォールは金髪の男の子(っぽい?)に気が付いた。
「こんばんわ。こんなところでどうなされました?」
「えっとね、みんなで住み着いているの」
「そうですか。ではほどほどに」
「ばいば〜い☆」
手を振って、見送ってからフォールはレイトを起こす。
「おはようございます。寝るなら寝るで、布団で寝ないと風邪引きますよ?」
「…あ?フォールか…」
言って抱き寄せる。
「あ、ちょっと…レイトさん…だめですよ…こんなところで…」
「いいじゃないか。誰も見ていない」
「そんな…あ…v」
こらこらこらこらこらこらこら。
良い子(表の)の小説でいかがわしい事するんじゃありません。
「判ったよ。帰ってヤるよ」
ひょいっとお姫様だっこしてレイトとフォールはひっこんだ。
ごゆっくり〜…ってあんたら仕事は…。
そんな訳でこちらはメリッシュさん。
いつも通りジャージを着て、スタンバイ中。
しかし待てど暮らせど誰も来ない。
「今日は義父さん来ませんね…」
う〜ん。と、フリーマンがいつも立っている所に胡座をかいでいる。
フリーマンは遠まわしにそこを見ていた。
いつもの俺のポジションが!!
とかハンカチ咥えて悔しがっている。
「パパーどうしたの?」
ミヤギが現れた。
「ミヤギ!!いい所に!あの男をどっかやってきてくれ」
「え〜私あいつ嫌い〜」
「してきてくれたらよしよししてやろう」
「判った★行ってきま〜すvvv」
ひゅーひゅーといって飛んでいく。
「あっちいけ〜ぃ!!(Drスラ○プのアラレちゃん調)」
「あ、ミヤギ…」
ゲシ!!
メリッシュさん、足場なし。
「みーやーぎいぃぃぃぃぃぃぃぃ」
ゴス。
あ〜あ。落ちた。めり込んでるよ。ああた。
チーン。ご臨終です。
まあ、明日になったらいつも通りジャージ姿で現れるでしょう。
「パパ〜vvvよしよしして〜vvv」
「さすがミヤギだ…」
よしよししてもらってご機嫌なミヤギ。
そしてMYポジションが戻ってご機嫌なパパ。
「いたそー…」
グラはまた主に持たされた虫取り網を片手に下を覗き込んでいた。
「レイトなんか仕事してねえじゃねーか。俺だってマイルドを苛めて遊びたいのに〜」
と、なにやら銀髪が見えた。
え〜っと…セツナ…だったっけな。
冷静な突っ込み役?
ならば…
びしっと指を指して大声で叫んだ。
「布団がふっとんだ―――――!!!」
「バカを言うな。布団がふっとぶわけないだろう」
「いやー熱は夏いですな――――!!」
「それを言うなら夏は暑いですな。だろ?」
「知り合いが頭を銃で撃ち抜かれたんだが生き残ったんだ。どうやってんだ?と、聞いたら「防弾チョッキを着ていたから助かった」だとよ!」
「防弾チョッキを着ていても頭までガードできるわけがないだろう」
「すいません、お菓子屋さんは何処ですか?チョコ」
「其処とかけているのか?安直な」
「すいません、野菜屋さんは何処ですか?菊菜!!」
「聞くなとかけているのか?そのネタやめろ。わかる奴にはわかるから」
「くそー。え〜っと………あ〜…」
「もう、良いか?」
「え〜っとえ〜っと隣の客はよく柿喰う客だ!」
「俺をどう思っているかは知らないがすでに目的から離れているだろう?」
「仕方ねえだろ!!俺様全然お前のキャラしらねえんだから!!」
「じゃあ、どうしてこんな話書こうと思った?野菜屋さん」
「菊菜―――――!!」
グラはダッシュでマイルドの部屋に直行した。
セツナは途中勝利ポーズのお辞儀をする。
「お後が宜しいようで…」
グラントはマントをバサバサとはためかせていた。
やはり、影や自分の分身は使えない…。
やはり私がやるしかない!!
と、屋根の上でカッコ良く月をバックに飛び降りる。
フリーマンを発見。
「おっりゃあああああ!!汝の定め、滅びなりぃぃぃぃぃ!!!」
落ちよ!の体制でこれぞと突っ込む。
「クックック…行くぞ…」
ぴっきゅ――――ん。
暗転。
ざしゅざしゅざしゅざしゅざしゅざしゅざしゅ。
食われた――――――!!
ちなみに食われたとは特定の技を喰らった時に使う専門用語である。(該当例:KOFのやをとめ)
「く…おのれ…!」
体制を立て直そうとして立ち上がる。
地面に手を付こうとして、地面がなかった。
そのままバランス崩してまっさかさま―――――ッッッ!!!!
「カインよ―――――!!」
ゴン!
頭から突っ込んでグラントさん、メリッシュと並んでK・O。
弱すぎ。グラント。
そして、一番出番なかったね。グラント。
「く…ひどい…なぜ俺がこんな扱いを…」
一人称変わっておりますがな。
「あ、グラント、一緒っすね〜」
もう回復したのか。メリッシュ。
頭から血をダクダク流してグラントさん昇天。
教訓:高いところで遊ぶのは止めましょう。
「と、そんなわけで、今回も失敗に終わりました!」
グラントはカインに包帯を巻いてもらいながらしみじみと言う。
メリッシュはギース並みの回復力で(引き合いに出すなbyギース)すでに完全回復中。
「っつ〜か、レイトダメだろ?仕事せにゃあ」
「どっかの誰かみたいに直でやられるよりかは良いと思うが?」
ぐさ!
グラントの胸に何かが刺さった。
っつ〜かどっちもダメでしょう。あ〜たら。
「まったく。あ〜…くそう、中ボスとしての威厳が…」
「あったんすか?そんなもん」
グラ、破天弾の刑。
「もういい!解散!!」
ばらばらとやっと終わったぜ〜。と、解散。
グラントも溜め息を吐いて大広間に向かう。
「!?」
グラはグラントが驚くより先に驚いた。
フェザとマイルドとフォールとミヤギとミラが楽しそうにババ抜きをしていた。
「なんでミラがココにいるんじゃ――――!!」
グラントさん、塵とかせぃ!
皆さんJD。起動が読めすぎ。
「なんでって、遊んでるからに決まってるでしょ?グラント様」
「ミラちゃんお友達だもん★」
「ですね」
「その通り♪」
「そんな訳で皆で住む事にしました☆」
「食費と手間が掛かるからこれ以上の居住禁止――――!!」
ロックが掃除機を手に後ろから烈風け〜ん。
どうやらこれ以上ファミリーが増える事はないようです。
そして遠くでテリーがガーンってしてたり。
言い訳。
…熱がある。絶対ある。頭痛い。
朝から風呂に入るもんじゃない。はふうううううう。
そんなわけ。しーゆー。
00/05/28
(日) Yusaku U.