わが夢は星の彼方→伽耶の目指せ天下一!!→天使は再び舞い降りた












『天使は再び舞い降りた』








どうしてこんな事になってしまったんだろう・・・


ただ・・・


いつもと同じ一日が、少し違う一日に変わるだけのはずだったのに・・・


悟天は思い出す


『始まり』の日を・・・













今日も悟天はチチと組手をしていた。

悟空が死んでからは、悟飯に勉強をもちろん進めるのだがそれと同じぐらいに武術の修行をすることを許すようになっていた。
悟天が物心ついた時には、すでにチチの武術の教えは始まっていた。
家の仕事が一段落つくと毎日の様に悟天を鍛えていた。

「こらっ、悟天逃げるでねぇ!そったらことでは死んだおっ父に笑われるぞ!」

この言葉はチチの口癖になっていた。
悟空がいない寂しさや哀しみを覆えるぐらいの愛情を子供達に伝える方法のひとつだ。

「くっ!てぇやぁぁぁぁぁぁっ・・・!」

悟天が反撃に出ようとしたその瞬間、髪が金髪になり目付きも変わる。
その姿はまさに超サイヤ人。
チチはショックを受けその場に座り込む。
目にはたくさんの涙を溜ながら

「うわぁぁぁぁっ!悟天ちゃんまで不良になっちまっただぁ・・・!」

と、叫ぶ。

悟天はただオロオロするしかなかった。










それからの悟天は、トランクスや他の人の前では超サイヤ人には変身しなかった。
チチが悲しむ姿を見たくはなかったからだ。


この約束を破ったのはあの日・・・


悟空があの世から一日だけ帰ってきて天下一武道会に出場することが決まった次の日。

悟飯との修行の中で悟天は超サイヤ人になった。
悟飯が超サイヤ人になって修行をしていたからだ。
悟天は悟飯に変身出来るようになった経緯を話し、チチから人前で変身することを禁じられたことも告げた。
悟飯は苦笑いを浮かべながら

「母さん超サイヤ人嫌いだからなぁ」

と、悟天に禁じられた理由を教えてあげた。
二人にとっては何でもない出来事。

・・・だが、あの人は違った。



チチは悟天が初めて変身したその日から、虚栄を張り続けてきた自分が分からなくなっていた。


・・・忘れていたわけじゃない。

だけど、もう二度と見れない愛しい人の姿が今、現実に自分の目の前に現れたら・・・


『悟、空・・・さ?』

あの日わが子に呟こうとした言葉が頭から離れなかった。
最後に見た悟空の姿と重なってしまったから・・・








でも『今』のチチは違う。

『悟空さが帰ってくる・・・悟空さに会える!』

心の中はそればかり。
天下一武道会の日を待ちわびるたくさんの人達。
皆心の中はチチと一緒だった。






―――そして運命の日―――



何事もなく過ぎるはずの一日。
武道会が終わればみんなでパーティーをする。
悟空が帰る時が来ることにおびえながらも、楽しく過ぎていく時間を一秒一秒大切に刻み込み笑顔で見送る。
そんな一日になるはずだったのに・・・



まさか愛しい人が若かりし頃に戻り殺戮を繰り返すなんて・・・

愛しい人達が亡くなるなんて・・・



だけど信じていた

地球の危機には必ず現れる

暗闇を照らす一筋の光・・・

どこにいても感じられる、暖かい光・・・

すべては『その人』から始まった。
そして『その人』がすべてを終わらせてくれると、そう・・・信じていた。

だが・・・

未来は小さな戦士達に受け継がれた。
その体に、
不可能を可能にしてきた偉大な戦士の血を宿した者達に・・・












夢から醒めた悟天が思い出した『始まり』の日。
もうあの頃には戻れない。
だけど新しい『幸せ』を手にするために・・・
新しい『平和』をもたらすために・・・


少年は歩き出す。

ただ真っ直ぐに・・・

前だけを見て・・・

























※あとがき
短編・・・にするはずだったんですけどダメでした(^_^;)

また次に挑戦します!
o(≧▽≦)o


悟天が少し大人になっていますねぇ
(;¬_¬)

少年少女の成長は早すぎて、表現するのが大変ですな
(T_T)

だがまだまだ負けずに書き続けるです!
o(≧▽≦)o


応援などがあればなお頑張るです☆
( ̄ヮ ̄*)



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