わが夢は星の彼方→伽耶の目指せ天下一!!→それぞれの優越感〜supe・riority complex〜
『それぞれの優越感〜supe・riority complex〜』 『買pリンッ』 「あーっ!!」 (……どうしようι) チチがいない今、家のことを真面目にしっかり出来るのは… 悟飯以外いなかった。 それなのに… その自分が事を起こしたとなれば… 待っているのは閻魔様より怖いあの人だ。 そう、今日チチと悟空は結婚記念日という事で出かけていたのだ。 家には悟飯と悟天の二人+トランクス。 ドタタタタタ… 「悟飯さーん!何かあったの?」 「兄ちゃんどうしたの?」 二人の『歩く人間災害』がこちらに向かってきた。 「あぁー!来ちゃだめだぞ二人共!!危ないから!!」 慌てる悟飯は珍しい。 故に二人は気になる。気になれば原因解明しないと気がすまない。 「だからどうしたんだよ、悟飯さん」 そう言いながら更にこちらに歩み寄ろうとするトランクスを必死に止める。 「危ないから駄目だってば!!」 声を荒げて叫ぶ悟飯に妙な汗が流れる。 お子様二人がこれを見逃すはずはない。 「…兄ちゃん、何したの?」 「…悟飯さん、足元にある『それ』は何?」 (目が完全に据わってるよ〜ι) 二人の尋問に落とされてしまった悟飯。 「だぁー、もうっ!!分かった、言うよ。言えば良いんだろ?」 半ば泣きながら答えたこの哀れな仔羊を見て笑う二匹の小悪魔達。 「とにかく、ここは危ないから向こうで話すよ」 近くにあったイスに腰掛ける三人。 「あのさ…どうしても話さないとダメ?」 「ダメ」 「当たり前」 心にもない言葉が二人から返ってくる。 (はぁ……) 潔く話す悟飯。 「オレがいたところに割れてる物があっただろ?」 首を縦に降る二人。 「あれ…大事な物だったんだ」 肩を落としながら呟く悟飯。 「誰にとっての大事な物なの?……もしかして」 トランクスが顔を強ばらせる。 「俺の大事なmyグラス!!」 「ちっがーーうっ!!」 思わず立ち上がってしまった悟飯にビビる二人。 「うわぁぁぁっ!!脅かさないでよ!!」 「あっ…、ごめん」 謝りながら席につき直す。 「あれは…」 悟飯が話そうとした時…いきなり悟天が叫んだ。 「兄ちゃんまさか、まさか僕の大事な貯金箱を!?」 「だからちがーーうっ!!!!」 またまた立ち上がってしまった悟飯。 さすがに今回は驚かなかった二人。 「お前ら、遊んでるだろ?」 目がマジな悟飯に恐怖を覚えた二人は、立ち上がり気落付け(きおつけ)しながら真面目な顔で答える。 「遊んでません!!」 「よろしい。席に着きなさい」 お許しがでたので座る二人。 「いいかい?あれは、『星々のかけら』っていうやつなんだ」 説明してくれたのは良いが良く分からない二人は顔を見合わせ首を傾げる。 「まぁ簡単に言うと『砂時計』だよ」 今度は違う事で悩む二人。 (砂時計が何なんだよ…) (砂時計って何だっけ?) 「?」 悟飯は二人の百面相を見ながらこう思った。 (この顔であの性格なんだもんなぁ。何でこんな風になっちゃったのかなぁ) それぞれの思いを抱えながら話は続く。 「『砂時計』が何で大事な物なの?」 先にトランクスが質問する。しかもいきなり本題。 一人置いて行かれる悟天。 「あれは普通の砂時計じゃないんだ。あれは僕がナメック星って星に行った時に拾った細かい石が入ってる世界に一つしかない砂時計なんだ」 ナメック星の事は良く知らない二人。 ただ『ピッコロの故郷』程度にしか分からない。 「それで?」 『だからどうした』って顔を向けてくるトランクスを見て、悟飯は (やっぱりベジータさんとブルマさんの息子だよι) と思った事は内緒。 「くしゅん!!」×2 「あらベジータ、風邪?珍しい」 「お前はどうせくだらん噂でも立てられてるんだろうぜ」 「な…何ですってぇぇぇ!?」 「…やる気か?」 ベジータの涼しげな顔を見て一言。 「あんた今日ご飯抜きね」 があぁぁぁぁあん…!! ……この日のベジータは …死んでいた。 「いやιだからだな、そのたった一つしかなかった物を壊しちゃったから大変なんだよ…!!」 何とか事の大事さを伝えたいのだが上手くいかない。 「……それだけ?」 狽、っ…!! 「まだ何か隠してるでしょ?悟飯さん」 「べ、別に何も?」 目線をそらせて言ってしまったのがいけなかった。 トランクスは鋭すぎる。 「その『砂時計』ってさぁ…もしかして悟天のお袋さんにあげるものじゃないの?それともビーデルって姉ちゃんにでもあげるつもりだったの?」 (…こ、こいつ) 悟飯にはもう… 道は一つしかなかった。 そう… いわゆる『開き直り』 「そうだよ。母さんに今日プレゼントしようと思って作ったのに壊しちゃったし、この年でそんな可愛いことしてたのがよりによってお前達にバレちゃったから大変なんだよ!!」 ハァハァ… 息を切らしながら、顔を赤らめながら答えた悟飯に威圧されてしまったトランクスは、思わず身を引いてしまう。 今度は悟飯がそれを見逃さなかった。 「トランクス。この事他の人に喋ったりしたらどうなるか…分かるよな?」 絶対零度の笑みを向けられたトランクスは、ただ… ただ逃げる方法を考えるしかなかった。しかしここで思ってもみない言葉が悟飯から出た。 「今日のところは見逃してやるから安心しろ、トランクス」 (その顔で言われて何で安心なんか出来るんだ!!) と思った事は口が裂けても言えない。 「…は。ハハハハっ……ιさよならぁぁぁぁあぁぁ…!!!!」 ビュンッ!! 「あっ!トランクス君ずるいよ!!」 悟天の叫び声は部屋に空しく響いただけだった。 恐る恐る後ろを振り向くと、そこには先ほどの絶対零度の笑みを浮かべた悟飯がいた。 「分かったよ。兄ちゃん…」 涙を流しながら、聞いてしまった事を後悔する悟天。 だが最後に一つだけどうしても聞きたい事があったので聞いてみる。 「…ねぇ、兄ちゃん」 「何だ?悟天」 (やっぱり怖いよぉぉぉぉ!!) 「あ…あのね、『砂時計』って何?」 「…はっ?」 「だから、『砂時計』って何!?」 半ば半泣きで訴える弟を可愛いと思う自分はある意味兄弟バカ?と真剣に考えるのは、この日の夜だった。 「あのな、『砂時計』っていうのは『砂を少しずつ落として時間をはかる道具』の事だよ」 すでに優しい笑顔に変わっていた悟飯を見て安心した悟天は 「そっか、ありがとう兄ちゃん!!」 言うだけ言うと逃げた。 (…ハメられた?) 内心そう思いながらも顔は綻んでいた悟飯であった。 玄関の扉が開くまでは… ※あとがき ギャグなのだろうか? この作品。 この前に悟天を出演させた小説を書いたのですが、 『だったらトランクスも出さないと可愛そう…(;□;)』 と自分に訴えられたので、素直に書いてみました。 かなりキャラのイメージ壊してます。 苦手になってしまった人…ごめんなさい(T_T) でも書いてて楽しかったです♪ (爆死) |