わが夢は星の彼方→伽耶の目指せ天下一!!→a fault








『a fault』







今日は雨。

チチは留守を悟空に任せて、ブルマと買い物をするべく出かけて行った。

悟飯は修行に行けなかった悟空の愚痴を聞いている最中だった。

「なぁ悟飯。チチがいない時ぐらいはよぉ、勉強やめて父さんと修行やろうぜ」

(修行出来ないから家にいるんでしょ?お父さんι)

なんて思いながらも、ちゃんと質問に答える。

「家の中でどうやって修行するんですか?お父さん」

「ん?誰が家ん中でやるって言ったんだ?」

悟飯は意味が分からなかった。だから思ったことを伝える。

「じゃあどうして家にいるんですか?外で修行出来るなら行ったでしょ?」

悟空は当たり前のように答える。

「今日はチチが出かけるまで待ってたんだ。チチが居たんじゃ、おめぇとちゃんとした修行させてくんねぇからな」

(なるほど…)

納得した自分に少し戸惑いながらも、悟空との会話を続ける。

「じゃあお父さん、何処で修行するんですか?」

「ピッコロんとこ」

(……ん?)

「あの…それってもしかして『一面砂漠』とか『何もない荒野』って感じの所ですか?」

この雨の中、普通は絶対行きたくないと思う場所を取り合えずあげてみる。

「オラそんなとこ行きたくねぇよ!!」

慌てて否定したところを見るとどうやら違うらしい。

「じゃあどこなんですか?」

悟空は笑顔で答えた。

「神様んとこ♪」

「行かない」

真顔で答える悟飯に思わず詰め寄る悟空。

「なんでだ!?オラ何か変な事言ったか!?」

「お父さん。あそこは屋根が無いんです。僕風邪をひきたくありません。」

そう言うと目線を悟空から離し机に向かう。

「だ、大丈夫だって悟飯!!その気になれば神様が『濡れても風邪ひかない服』ってのを出してくれるさ!!」

まるで神様を魔法使いのように言う悟空に悟飯は呆れる反面こうも思った。

(…ありえる)

「なっ?悟飯、行くだけ行ってみようぜ!ピッコロも待ってんだからさぁ。それに早くしねぇとチチのやつ帰ってきちまうよ」

どうやってでも連れて行こうとしている事が目から感じられた。悟飯は諦めて首を縦に降った。

「よし!!じゃあ早速行くか♪」

こうして二人は瞬間移動で神様の神殿に向かった。

着くといきなり予想通りの事が起こった。


ザァァァァァ…

二人は慌てて神殿の中に入った。そこにはピッコロとポポと神様の姿が並んでいた。

「遅いぞ孫!!今まで何をしていた!?」

マジになって怒るピッコロに悟空は

『まぁまぁ…ι』

と手で征しながら話しを進める。

「チチが出かけてから悟飯を説得するのに時間かかっちまってよιそんなことより早く始めようぜ!!じゃないとチチの奴が帰ってきちまうんだ」

明らかに焦っている悟空を見て、ピッコロもこれ以上の追求はやめることにした。

「あの、お父さん。僕との約束覚えてますよね?」

疑う眼差しで悟空を見る。

「分かってるって!!」

一人追いつめられていた悟空は、焦る以外の行動を起こせずにいた。

「なぁ神様。『雨に濡れても風邪ひかない服』って出せるかな?」

いきなり突拍子もない質問をされた神様はもちろん、周りにいたポポとピッコロも、頭に?マークを浮かべているのが見てとれる。

「…いや、残念ながらその様な服は無理だな。ミスターポポも持っては…」

そう言いながらポポを見つめる。

「そんな服ない」

当たり前の答えだが、悟空は何とかしてくれと頼み込んでいた。

「それじゃあお父さん。今日は諦めて下さいね。お母さんが帰ってくる前にあのドリルを終わらせないと、怒られるのは僕なんですから」

悟飯の淡々としたセリフに、悟空も諦めるほか無かった。

「すまねぇなピッコロ。この埋め合わせは必ずすっから!!とりあえず悟飯だけ家まで送ってくるよ。その後オラと組手やろうな!!」

そう言い残すと、フッ…と姿が消えた。

置き去り状態の三人はしばらく固まったままだった。



家に戻った二人が一番最初に見たもの。
それは……




仁王立ちした怒りMAX状態のチチだった。




「…ピッコロよ。今日の修行は諦めた方がよさそうじゃ」

汗を流しながら呟く神様を見て、二人が今どの様な状態に置かれているのか…


分からない者はいなかった。







※あとがき
今日は雨が降っていました。それで思いついたまま書いてみました。
神様の家に果たして雨が降るのかどうか…
うちには確かめる術が近くに無かったので、原作設定と違っていたらすいませんι

雨は気持ち良いので好きです。
晴れた時に虹が見えた時はもっとそう思います。
濡れるのもたまには良いかな?って思ったりしてしまう自分が変わり者なのだと認めます。(;□;)

うちの中での悟空は、

『悟飯やチチやクリリン達の気持ちも知らずに突っ走ってしまう人』

っていう印象があるので、少し苦しめてあげたくなっちゃって♪
悪魔に囁かれるまま作り上げたのがこの作品です。

反感買うこと間違いなしな作品。
『あっても良いかな?』って開き直ってます♪( ̄ヮ ̄*)


こんな性格の悟飯も大好きv



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